家飲み🍶を愉しむ① 〜 酵母の違いを香りと味で感じる 〜

さて、今回は「唎酒師への道」シリーズは、お休みして、新たなシリーズ「家飲みを愉しむ」シリーズの記念すべき第一弾、「酵母の違いを楽しむ」です。

昨晩は先日の東北旅行で秋田に行った際に、地元の酒屋さんで購入した、奥田酒造さんの、

千代緑「No.12」純米大吟醸 無加圧甕口

と

千代緑「MS3」純米大吟醸 無加圧甕口

の2本を同時に開栓して飲み比べてみました。

この千代緑、実は、3月の「秋田の酒きき酒会」で初めて飲んで、すごく美味しくて気になっていたんですが、生産量300石くらいの小さな酒蔵で、関東の酒屋さんには殆ど卸してなくて、そのままになっていたのですが、今回、たまたま訪問した秋田の酒屋さんが取り扱っているのを発見し、即購入したのです。

そして、今回、何故この2本を取り上げるかと言いますと、実は、この2本、

酵母が違うだけで、その他のスペックは、ほぼ全て同じ

なので、

純粋に酵母の違いによる香りや味わいの違いを比較できる

という機会に恵まれたからなんです。

この2本、両方とも、使用酵母の名前である「MS3」、「No.12」を、そのままお酒の名前にしています。この辺は新政の「No.6」と同じですね。ボトルのデザインに新政ほどのインパクトはありませんが、これはこれで斬新で格好良いです。

因みに「MS3」は奥田酒造の蔵付酵母で、「No.12」は秋田醸造試験場が分離した「秋田酵母No.12」です。

では、早速、両者の比較をするためにスペックを表にまとめてみますと以下のようになります。

どうです?

使用酵母が異なる以外は、日本酒度とアミノ酸度に若干の違いがあるものの、全く同じなんです。

実は、こういう比較ができるお酒を同じ蔵で造っているところは意外に少なくて、しかも、大きい蔵だと、スペックは同じでも杜氏さんが違ってたり、酒造時期が違ってたりすることもあるんですよね。

最初は普通のガラス製の御猪口で飲もうと思ったのですが、大吟醸の割には、香りが穏やかめであったので、香りの違いをより正確に判別できるようにワイングラスに注いでみました。

外観は、両者とも無濾過ですが、ほぼ無職透明で滓もなく、アルコール度数も同じ、やや高めの16.5%ということで、そこそこ「とろみ」があって差はありません。

そして、香りですが、まず、両方とも「リンゴ系」の香りではありませんので、両酵母共にカプロン酸エチルの生産量は少ないものと思われます。

しかし、明らかに香りに違いが存在します。面白い・・・。

両方ともフルーティーな香りなのですが「No.12」の方は、メロン、バナナ系の香りが鼻腔に心地よい刺激を伴って感じられるのに対して、「MS3」の方は、更に上品な優しい桃のような香りです。「No.12」の方は、分かりやすいフルーティーさが前面に出ていて、「MS3」の方は、ハーブっぽい香りも混ざってたりして、もう少し複雑な香りです。そして、両者とも、少し時間が経つと、ほんのり甘いハチミツの香りも感じられ白ワインのような雰囲気も出てきます。

次に味わいですが、まず明らかに違ったのは「MS3」の方は、開栓した時からプシュっと心地よい音がして、口に含んむと微炭酸が舌を刺激してくれますが「No.12」の方はガス感は感じませんでした。

しかし、両者ともに、酸度が1.7と高めですので、ここから感じられる酸味が、フレッシュさと爽やかな喉越し、そして爽快なキレをもたらしてくれ、上品な甘みと、ほのかな苦みもあります。

ガス感があったのが影響が大きいのかも知れませんが、日本酒度が若干高く、アミノ酸度が低い「MS3」の方が、より爽快感を感じました。でも、「No.12」が、まったりして重くてキレが悪いわけではないのです。

両者とも、香りはフルーティーさは感じられるが強烈過ぎず、最近流行の、いわゆる「インパクト系」と呼ばれるお酒とも一線を画している飲み疲れのしない素晴らしい「食中酒」でした。

是非、別の蔵でも同じように酵母違いのお酒の飲み比べをやってみたいですし、「お米違い」も試してみたいですね。

ワインだと、同じ生産年の畑違いを比べる「水平飲み」や、同じ畑で違う年のものを飲む「垂直飲み」なんてものが、よくワイン会の企画として行われていますが、自分も、今後、日本酒で、そうした飲み比べイベントをやってみたいと思っています。

さて、今回の家飲みでは、この2本のお酒に以下の料理を合わせてみました。基本的に、大吟醸酒だったので、料理もあまり濃厚なもの、癖の強いものは避けました。今回のベスト・マッチングは、グレープフルーツとトマトのサラダにディルの爽やかな風味を加えたもので、これが、日本酒と見事に調和して、良さを引き立ててくれました。ディルは、ちょっと癖が強すぎるかな?とも思ったのですが大丈夫でしたね。

トマト、グレープフルーツとディルのサラダ

舞茸と生ハムの天ぷらは、キノコの風味と生ハムの塩気が、これまたピッタリ。特に「MS3」はガス感もあったので揚げ物にも合って、まさにビール要らず!

舞茸と生ハムの天ぷら

こちらは、いかにも日本酒のオツマミ!という感じですが、口の中をさっぱりさせてくれるし、生姜の風味が、また日本酒の新たな味わいを発見させてくれます。

きゅうりと新生姜の塩ごま油和え

めちゃめちゃシンプルな料理ばかりで載せるのが恥ずかしくなってきますが、最後は、砂肝ピーマン炒めです。ニンニクをしっかり効かせて、最後にレモンをたっぷり絞って、酸味を効かせることで、更に今日のお酒に寄り添える一品になりました。

砂肝ピーマンのニンニク炒め

いやあ、家飲みも本当に楽しいですね。リラックスして、自分のペースで自由に食べて飲めるのがいいですけど、何より、

自分で、お酒と料理との相性を想像して作ってみて、それがハマった時の幸福感

は最高です。

それにしても、

「お酒と食事に興味を持っていたら、人生退屈しない」

と改めて思いました(笑)。

皆様も是非、「家飲みライフ」も楽しんでください!

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