浅田真央サンクス・ツアー 長野公演!
こんにちは。
週末に真央ちゃんのサンクスツアーの長野公演に行ってきました!
あの衝撃の新潟公演から1ヶ月。
5月中旬のトークショーで、無良君が、長野公演までにメンバー全員での練習を「何回か」行ってレベルを高めていきたい!と言ってましたので、今回も楽しみにしていたのですが、結論から言って、ショーの完成度は格段に上がっていました!
真央ちゃんは、もう本当にキレキレで心身共に充実している感じが伝わってきましたし、舞ちゃん、無良くんはもちろん、オーディションで選ばれたCASTの個々人のスケーター達の滑りやジャンプ、スピンなどの個別の技術に磨きがかかり、その自信に溢れた演技が全体の水準を押し上げ、更に全体練習の成果で、群舞での全体の統一感が増し、流れも淀みない形で迫ってきますので、まさに、
80分間のショーが一つの作品となっている
感覚をより一層強く感じることができました。
〇〇・オン・アイスといった既存のアイス・ショーは、音楽CDで言えば、
色んな時代の著名なアーティストの曲を寄せ集めたアルバム
に似ていると思ってまして、それはそれで色々な曲が聴けて楽しいのですが、アルバムの中での起承転結があるわけではないし、メッセージもない。ただ曲をブツ切りに集めているので、その個々の曲が、どれだけ素晴らしいものでも、途中で集中力が切れたり、興味のない曲は飛ばしたりしてしまう。しかも、所属レコード会社が違う著名なアーティストを国内外から集めているので、お値段自体も高い。しかし、全体として訴えかけてくるものがないので、何度も聴くと飽きてしまい、終いにはラックの奥にお蔵入りしてしまう・・・。
対して、今回の真央ちゃんのサンクス・ツアー。
このアイス・ショーも、ある意味、
真央ちゃんの過去の使用曲を集めた一つのベスト・アルバム
という言い方も出来るでしょうから、それじゃあ、さっきのCD(=既存のアイスショー)と大差ないんじゃないか!と思われるかも知れませんが、これが全く違うわけです。
では、その違いは何かというと、サンクスツアーには
・感謝という明確なメッセージがあること
そして、
・そこには様々なストーリーが存在していること
ということに尽きると思います。
まず、「感謝」に関してはショーで流れるVTRでも真央ちゃんが言ってますが、
①長年応援してくれたファン、そして、これまで競技会場やショーには来れなかったファンへの感謝
②自分を育ててくれたフィギュアスケートへの感謝
③サンクスツアーに参加してくれたスケーター達への感謝
など、様々な感謝の思いが込められており、この「感謝を伝える!」という純粋かつ強いメッセージがショーの根本にあることがヒシヒシと伝わってくることが、観るものの心を捉える大きな力になっています。
そして、そのメッセージとともに、このショーが人々を感動させ惹きつける原動力となっているのが、このショーに存在する数々のストーリーです。
そもそも、「これまでフィギュア・スケートに接したことのない人達にもお手軽なチケット価格で気軽に観て欲しい!、そして、それがフィギュアスケートへの恩返しにもなる!」という発想を持ったところから、
実際にショーのコンセプトを考え、それを実現していく過程自体が想像を絶する大変なストーリー
だったはずなんですよね。
そして、そのストーリーは、今月17日に放送される克ちゃんの番組で詳しく放送されると思います。これは、もう想像しただけで泣けてきそうな番組で、放送後は間違いなくサンクスツアーへの注目度が更に増して、共感と感動の波が広がり、「浅田真央ムーヴメント」が全国に拡大していく可能性大だと思っています。
まあ、そのストーリーに関しては、克ちゃんの番組を楽しみに待つとして、ここでは、このショーに存在する他のストーリーについて書いてみたいと思います。
まず、第一のストーリーですが、それは、
浅田真央のスケート人生、いや存在自体が現在進行形のストーリーであること
です。
長年応援してきたファンは、真央ちゃんの過去のプログラムと、その時の真央ちゃんの成績や置かれていた状況に加え、喜びや悔しさといった感情、更には自分自身の個人的な人生の思い出さえも重ね合わせ、今回のショーで、それを思い出し、彼女のスケート人生に愛おしさを感じるとともに、新たなスタートを切った真央ちゃんにワクワクする感情を抑えられない・・・。そんな感じじゃないでしょうか?
そして、今回、実は、長野で舞ちゃんが「今日、初めてアイスショーに来た人?」という質問を投げかけたところ、会場の半数以上の人が手を挙げたのですが、そうした人達の多くも、年齢制限でトリノ五輪には出場できなかったこと、バンクーバー五輪での涙の銀メダル獲得、ソチ五輪での失意のSPからの感動のFP、昨年の引退会見といったところは多くの人が知っていると思います。勿論、年配の人達は、真央ちゃんが子供の頃から「その存在」を知っていて成長の過程を見てきてるし、小さな子供達もTVを通じて真央ちゃんの事はよく知っています。
こうした観客は、真央ちゃんの過去の個別の曲までは、詳しくは知っていないでしょうけど、そんな人でも、楽しめる、そして飽きさせないような選曲、曲順、振り付け、そして、振れ幅の半端ない圧倒的な表現力で老若男女、観客全員を真央ワールドへと惹きつけていくわけです。あのTVでした見たことのなかった真央ちゃんが、現実に、自分のすぐ近くで演技をしてくれている、正に、真央ちゃんの存在自体が人を惹きつけるストーリーなんですよね。
そして、第二のストーリー。
これは、ショー全体の構成と個々のプログラムに存在するストーリーです。
これは「演出家・振付師 浅田真央」の腕の見せ所というところですよね。
全体の構成に関しては、今回のショーは様々な過去の使用楽曲を演じるということですので、「一つの物語としてのストーリー仕立て」になっているわけではないのですが、それでも、オープニングからの選曲は「引退後の心の葛藤と決意」、「仲間との笑顔での再出発」といった形になっていて、そこからエンターテイメント的なもの、しっとりとした美しさを感じるもの、情熱的なもの、華やかなもの、重厚なものといったテイストの違う曲を絶妙に配置することで観客を惹きつけ続けて、最後は、ショーのメッセージである「感謝」を伝える曲で締めていて、しかも、それをノンストップで演じることによって、色々な曲を寄せ集めたベストアルバムのはずなのに、
観客はまるで一つの物語を観たような感覚を持つ
わけですね。
そして、個々のプログラムに関するストーリー。
これは、勿論、競技プロで使っていた時から、真央ちゃんは使用曲の背景やストーリーを理解していて、時には振付師と意見交換しながら振り付けを決めていたということですが、今回のショーに関するインタビューの中でも、
「ショーは色んな制約がなくて自分の自由にできるのが楽しい」
みたいなことを言ってまして、これは、正に、ジャンプの数とか、ステップとか、スピンなどの得点を得るための構成要素はもちろん、衣装の制約、小物の使用の制約などを一切気にしないで、表現者として、曲の背景やストーリーを如何に観客に伝えて行くかに集中できることに喜びを感じているということですよね。
個人的に、真央ちゃんの個別プログラムでの自由な発想が際立っている、あるいは強烈なストーリー性が溢れているプログラムは、
「素敵なあなた」
「蝶々夫人」
「黒・赤リチュ」
だと思います。
「素敵なあなた」は、競技プロでも素敵でしたけど、男性4人を手玉に取りながら小悪魔的に振る舞う女性を真央ちゃんが演じ、最後に男性を選ぶというストーリー!真央ちゃんに、こんな一面があったのか!と、私のような男は勿論ですけど、友人の女性でさえ観ててドキドキするっていうくらい楽しく、衝撃的なプログラムです。真央ちゃんが、このプロを振り付けるプロセスだけでも番組が作れると思いますよ(笑)。個人では表現出来なかったことをCASTと共に群舞で表現することの楽しさ、有効性を真央ちゃんも実感したんじゃないかなという気がします。
次に、今回の「蝶々夫人」は、以前の投稿でも書きましたが、ピンカートンが去ってしまい、彼に奥さんがいることも知ってしまった後の蝶々さんを演じているのではないかと、私は思っています。当たり前ですが、あの衣装はショーでしか使えませんし、ジャンプも出来ませんが、真央ちゃんが表現したかったことは「あの衣装」じゃなきゃダメだったんでしょうね。しかし、真央ちゃんの恐るべきところは、ジャンプなんかしなくても、あの衣装でのキレキレのスケーティングと体の動き、そして表情で、蝶々さんの心の葛藤や苦悩、強さ、そして絶望さえも感じさせてしまうところですよね。因みに、自分は、この蝶々夫人のところで、いつも、会場の雰囲気がピーンと張り詰めたものに変わる感覚があります。
そして、ファンなら誰もが、黒リチュと赤リチュは競技プロでも続きものでSPとFPで続きものとしてストーリー性を持っている画期的なプログラムだった事は知っていますが、真央ちゃんは、これを正に、今回のショーで本当に一つのストーリーとして融合させたんですね。黒リチュは衣装も、よりサイケデリックというか、悪の華をイメージさせる女王様っぽい感じで、闇に住む魔物と共に踊っている美しくも冷たい感じさえする女性なのですが、もちろん、滑りはキレッキレで、どんどん惹き込まれていき、それが早着替えで、真っ赤な衣装に替わり、表情も一変して、優しい微笑みをたたえた女神のような表情で、美しい静かなメロディーに乗ってコレオが始まる・・・。このGAP、本当に凄いですよ。そして、最後は赤リチュの圧巻のステップで仕上げる・・・。
個々のプログラムでも、これだけストーリー性を感じるものが鏤められていれば、やはり観客は引き込まれて行きますよね
そう言えば、以前、TV番組で、真央ちゃんが、メリーポピンズのプロデューサーであるキャメロン・マッキントッシュさんと対談した時に、真央ちゃんが、「表現する上で一番大切な事は何ですか?」と聞いたときに、
「どんなことを表現するにもストーリーが一番大事」
「ただ歌って踊って手を振って大きな音を流すのではなく、ストーリーを伝えることが大事」
「フィギュアスケートでも、何故その動作をするのか理由を考えること。それは観客に強い影響を与え、音楽はそれを引き立てる」
「あなたが何をするとしても、人を楽しませようとか、感動を与えようとする時はストーリーを信じなきゃいけない」
と答えていました
真央ちゃんは、正に、彼のこの言葉にも感銘を受けて、今回プロデュースする自分のショーでストーリーを信じて、この素晴らしいショーを創り上げたのでしょう。
そして、第三のストーリーは、チーム真央が成長していくストーリー。
オーディションでメンバーを募って、ショーを始めるなんて、本当に大変だったと思います。実際、新潟公演の前のインタビューでは真央ちゃんも「形になって良かった!」と泣いていましたもんね。
それが、どうですか!長野では、チーム真央は素晴らしく成長した姿を見せてくれました。
短期間で終わる、THE ICEでさえ、初演の時と楽公演では、完成度が違ったわけですが、このサンクスツアーは非常に長期間に渡って行われるショーで、しかも、メンバーの多くには無名だったスケーターも含まれているのですが、そんな彼らが、どんどん成長していくストーリーを、これから観れるわけです。
正直、最後は、一体どんなレベルまで成長していくのか? 想像もつかないですけど、本当にワクワクするし楽しみです。
ですから、私は、見切れでも何でもいいので、もしも一般販売でチケットが取れたら、スケジュールの許される限り、今後もチーム真央のストーリーを可能な限り見届けたいと思っています。前回の新潟に続いて、今回の長野でも、地元優先枠は、かなり割合的に大きいのだろうということは確認できましたので、そこで十分に真央ちゃんの意向は反映されていると思ってます。
書いているうちに、だんだんと興奮してしまって、当ブログ史上最長の投稿となってしまいました。
最後まで読んでいただいて有難うございます。
因みに、私は、日本酒でもストーリーが大事!だと思ってます。
その酒蔵のある地域のストーリー、酒蔵自身のストーリー、そして個別銘柄のストーリーなど色々なストーリーがあって、それを知ることで、よりお酒への興味も増して、またそれを肴に日本酒がすすむのではないでしょうか?
実際、「SAKE STORY」という素敵なお店をやってる知人もいますしね。
それでは、また!
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