真央の酒(6) やはり酵母は◯号酵母、それとも???
こんにちは。
過去2回で、色はできれば「透明感のあるロゼ・ピンク」で、シャンパンのような、きめ細かい泡を持つスパークリングタイプの日本酒ということで、どんどんハードルが高くなっている感はありますが(笑)、今回は、
アルコール発酵を促す酵母を決める
ことにします。
味噌や、醤油やパンなど、あらゆる発酵食品には各々、酵母が重要な役割を担っているわけですが、日本酒の場合も、
「清酒酵母」
というものがありまして、これがアルコール発酵を促し、お酒ができるわけです。
しかし、この清酒酵母というものには、実に様々な種類がありまして(詳しくは「唎酒師への道(20)」参照)、
どの酵母を使うかによって、できる日本酒に大きな違いが生じる
ことから、その選択は極めて重要な意味を持ちます。
そして、酵母の選択の影響は、味わいや酸味など多岐に渡るのですでが、中でも、
日本酒の香りを決める決定的な要素
となるのです。
日本酒には2000年以上の歴史があり、それこそ、映画「君の名は?」に登場した「口噛みの酒」は、日本酒造りの原点とも言える手法ですが、そこまで遡らずとも、微生物学が発達していなかった時代には、酵母も酒蔵の中に浮遊している自然の酵母を取り込んでお酒を造っていたのです。ですから、年によって、どんな酵母が取り込まれるかは蓋を開けて見なければ分からず、お酒の味わいも香りも安定せず、酒蔵の経営も不安定なものでした。
しかし、明治時代に入って、技術が発達すると、日本醸造協会から優良な清酒酵母を純粋培養した「きょうかい酵母」というものが酒蔵に頒布されるようになりました。
この「きょうかい酵母」は、明治39年の「きょうかい1号酵母」を皮切りに、2号、3号と、どんどんと種類が増えていき、現在は19号(正確には1901号ですが・・・)まで存在します。
そして、今でも、大多数の酒蔵が、この日本醸造協会から頒布される酵母を使って酒造りを行っているのです。
上の表のように、それぞれの酵母には、個性があり、例えば、7号、9号、18号なんていうところは、洋梨や青リンゴのようなフルーティーな香りがするということで、大変人気があります。特に18号は、発酵の管理が容易な上に、強烈な香りがプンプンすることで、大吟醸酒や純米大吟醸酒に使われることが多い酵母です。
さて、ここまで読んでいただいて、賢明な読者の方はもうお気づきでしょう!
メンタリスト、DaiGoじゃなくても、わかりますよね!
真央ちゃんに、
「どの酵母を選びますか?」
と聞いたら、その答えは間違いなく、
「3号酵母!」
でしょう!!
真央ちゃんのトリプル・アクセルへのこだわりは半端なかったですからね。バンクーバー五輪での3度のトリプル・アクセル成功という快挙は、恐らく破られることはないでしょうし、最後の試合となった、昨年の全日本選手権のフリー・プログラムの演技でも果敢にトリプル・アクセルに挑んでいった姿は忘れられません・・・。
では、「3号酵母」というものは、どういう酵母なのか?を調べて見ますと、Wikipediaによると、
「大正3年(1914年)、広島県三原の「酔心」の新酒から分離された。酒質の優秀さで評価が高かった。第3号酵母として日本醸造協会から頒布されたが、昭和6年頃、保存中に変性したとして使用中止になった。」
とあります。
えええ、3号酵母は、もう存在しない幻の酵母なのか?
確かに、上の表でも「6号酵母」の欄に「現存する最古の酵母」と説明がありました。
そこで、もう少し調べてみると・・・。
ありました!
現代でも3号酵母を使って造られている日本酒が!
で、早速購入して飲んでみました!
それが、こちら、小布施ワイナリーで造られている「LE SAKE EROTIQUE TROIS」です!
そう、「TROIS」はフランス語で「3」です!
小布施ワイナリーでは、ワイン造りの合間に日本酒を造っており、その強いこだわりから、現在頒布されていない、1号から5号酵母を含めた8種類の酵母を使って、伝統的な手法で醸したお酒を少量だけ世に送り出しているのです。
香りは、決して華やかではないですが、お米由来の上品な香りが口一杯に広がり、味わいも深い旨味があって、余韻も長く続き、飲み飽きしない食中酒でした。
小布施ワイナリーさんも、ボトルの裏ラベルに、
と記しているように、日本酒の世界では、この素晴らしい特徴と個性を持った3号酵母は否定され、より発酵管理が容易で、フルーティーな香りを出すカプロン酸エチルという物質を沢山作る酵母がもてはやされることになっていったわけです。
要するに、
どれも良い香りがして、そこそこ無難に美味しいんだけど感動がないお酒
が増えていったわけです。
これって、やはり、今のフィギュア・スケート界に通じるものがありますよね。
ご承知のように真央ちゃんは、引退後に発表された写真集の中のインタビューで、
「最後は、もう自分の技術は今のスケート界には通用しないと思うようになりました」
とコメントしています。
これまで何度も、明らかに自分に不利なルール変更や、ジャンプの得点の変更にも対応し、乗り越えてきた真央ちゃんに、ここまで言わせた現在のフィギュア・スケート界が、これからどうなるのか?
日本酒の世界は、最近では、安易に香りが良いだけのお酒をもてはやすのではなく、味わいもしっかりとしたお酒が再評価される時代に変わってきており、酸味が強いとか、スパークリングタイプとか、個性的な日本酒にも注目が集まるようになって、正しい方向に修正されつつあるのですが、フィギュア・スケート界にそういう自浄作用がありますかね〜?
さて、話を戻しますと、
「酵母は3号酵母に決定!」
と言い切りたいところなんですが、何せ、もう頒布も打ち切られていまして、果たして現実的に入手可能なのかどうか?は不安が残ります。小布施ワイナリー以外にも、もう一つの酒蔵が3号酵母の日本酒を造っているようで、何とかなりそうな気もしますが、ここは、やはり、いざという時に備えて、代替酵母を選定しておくべきでしょう。
そこで、考えたんですが、実は、世の中には花酵母というものがありまして、日々草、ベゴニア、マリーゴールド、シャクナゲ、ナデシコなどなど、実に様々な花から酵母が採取され、実際に日本酒造りに活用されているんです。
真央ちゃん、花柄も大好きですし、良いんじゃないかな〜。
そして、真央ちゃんのイメージの花ってなんだろう?と色々考えながら、調べていたんですが、ありましたよ!
それは、
カーネーション酵母!
これは!!!!
常に、亡き母、匡子さんへの感謝と尊敬の念を持ち、自分もそんな母親になりたいと願う真央ちゃんにピッタリ!じゃないですか!
花言葉も「母の愛情」ですよ!
ということで、唯一無二の酒を目指す「真央の酒」の酵母は、またまたハードルは上がりますが、
「3号酵母 or カーネーション酵母」
ということにしたいと思います!
もし実際に醸造するという段階に入ることができるのであれば、お願いする酒蔵さんと相談して、どちらかに決めるということで(笑)。
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