実践唎酒セミナー・清酒編に参加 ー初日ー

こんにちは。

7月も続いた真央シャワーも一段落して、8月9日からの福岡での浅田真央展までは「プチ砂漠状態」になりそうなので、この機会に、先月受講して来ました日本醸造協会主催の「実践唎酒セミナー・清酒編」について書いてみたいと思います。今回は「真央成分ゼロ」です!すみません・・・(笑)。

このセミナー、年一回、最近は大体6月に開催されていまして今回で30回目を迎える歴史あるセミナーで、清酒のタイプごとの香味や淡麗・濃醇、甘辛、酸味等様々な角度から学ぶことができるということで、酒蔵で働く人、酒販業者、飲食店業者向けに行われているものです。

セミナーと言いましても、2日間、単に授業を聞いて唎酒のノウハウを学ぶだけでなく、実際に唎酒の技能を試すための8項目に及ぶ実技試験が実施されて、全項目について合格点すると「唎酒マイスター」の称号が与えられるというセミナーなんです。

これまでの29回で、受講者は700名超で、合格者が150人程度ということで、単純な合格率は20%程度と、かなりの難関です。(合格者の人数には再試験での合格者も含む)そして、全問正解者は、長い歴史の中でも過去に8人しかいないということでした。

最近は、二日間のセミナーを2回行っておりまして、今回は、第一回目が6月12、13日で、第二回目が6月14、15日という形になってまして、それぞれ、30名ほどの参加者がいたようです。

私は、その第一回目の方に参加しまして、参加者は29名で、酒蔵関係者は3割程度、酒販店などの流通関係が最も多く、次いで飲食店関係で、私のような、どれにも属さない参加者が数名いたという構成でした。以前は、大部分の参加者が酒蔵関係者だったとのことでしたから、昨今の日本酒ブームで参加者が多様化しているということなのでしょう。

さて、私は、もちろん、このセミナーを受講するのは初めてだったのですが、「唎酒マイスター取得!」に向けて張り切って申し込んだものの、いくらネットで調べても、実技試験の内容がどんなものなのか?全く情報がない!のです。

事前に公開されていたのは、実技試験の項目のみで

①においの識別

②アルコール度数の順位

③日本酒度の順位

④甘みの識別

⑤香気特性の記憶と識別

⑥酸味の識別

⑦味の濃淡・甘辛の識別

⑧タイプ別清酒の記憶と識別

というものです。

この情報だけでは、どんな試験か?サッパリわかりませんよね。以前、受講した経験者から話を聞ける酒蔵の関係者や酒販店関係者は良いですけど、私のような個人は対策の立てようがありません。

結局、自分が受講前に意識して行えた試験対策は、②と③のみでした。と言いましても、アルコール度と日本酒度が明確に差がある日本酒を2銘柄同時に飲んで、その味わいの違いの感覚を頭に覚え込ませるという簡単なものですけどね。

なので、今回の自分の受講した体験談を、このブログに載せることで、少しでも今後受講する人の参考になれば良いし、受講資格は定められていませんから、多くの一般の日本酒ファンの人にも、このセミナーに興味を持ってもらえたら嬉しいと思っております。尚、日本醸造協会の方には、当該セミナーの内容をブログ記事にUPすることに問題はないとの見解をいただいております。

さて、前置きが随分長くなりましたが、では始めます。

日本醸造協会は、東京の王子駅から徒歩5分程度の北区滝野川にあります。2001年に酒類総合研究所が広島県の東広島市に設立されるまで、国税庁の醸造試験場として、酒類に関する様々な研究が行われていましたが、今は、かつての敷地の多くの部分が公園として解放されています。

まずは、講義を聴きます。テキストとスライドを併用してのわかりやすいものでした。「喉元の力」によってお酒の味の感じ方に違いが出るという話は新鮮でした。その他にも、「唎酒」をする際の具体的なテクニックなどについても教えていただいて大変参考になりました。

午前中は講義だけで終了し、お昼休みに入ります。各自、自由に食事を取って良いのですが、午後は、唎酒の実技試験なので、味覚を鈍らせるような辛いもの、刺激物は食べないようにお達しがありました。ですので、私は、駅近のお店で、サッパリしたスープの塩ラーメンを食べましたが、神経質な人はコンビニのおにぎりとか、サンドイッチで済ましている人もいましたね。あと、歯磨き粉の成分が味覚を鈍らせるので歯磨きもしないほうが良いと聞いていたので、私は歯磨きはしませんでしたが、逆に普通にしている人もいましたね。まあ、人それぞれです(笑)。

そして、1時間ほど休憩してから、場所を移動して、いよいよ、試験開始!

29人が4つのグループに分けられて、①〜③の試験を順番に受けて行きます。

私のグループは、まず、最初に①においの識別の試験の場所に行きました。

これは比較的簡単な試験です。係員の前の席に座って、クリップで留められた5cmくらいの細長い「におい紙」5本のうち、2本にだけ基準となる「臭い」の液がつけてあるので、その臭いがつけられている紙の番号を試験員に対して声に出して「2番と4番!」といった具合で解答します。正解であれば、係員の人が「正解です!」と答えてくれ、例えば、片方だけ正解の場合は、その旨を告げられ、もう一度、残りの正解を探すチャンスをもらえます。恐らく、2回目以内で、全ての臭いについて正解すれば合格なんだろうと思います。

因みに、当てる「においの種類」は全部で5種類あって、果物の匂い、花の匂い、糞尿に近い臭いなど色々あります。

そして、次は②アルコール度数の順位です。

テーブルにアルコール度数の異なる日本酒(12〜20%まで2%づつの違い)が入った5本の瓶が並べられていますので、それをアルコール度の順番に並べて回答用紙に記入するのです。この設問については、何回か低アルコール酒を使って訓練していたのに、4番目と5番目の順位を間違えてしまいました。

そうなんです。この「唎酒マイスター」の試験って、試験が終わる毎に、正解が貼り出されるので、すぐに結果がわかるんですよね。そして、全ての課題において合格しないと「マイスター」の称号は貰えないので、合格基準を満たしていない課題があった瞬間に一発合格の夢は断たれるわけです。

因みに、これはテキストの後半部分を見て、後から気づいたのですが、このアルコール度数と、次の日本酒度に関しては、「ピアマンの順位相関係数」が0.9以上であることが合格ラインでした。私の場合、5問中2問も間違えているわけですが、5段階のアルコール度数の順位付けで、1番低い12%のものと2番目に低い14%を間違えただけで、20%、18%、16%の序列も正解でしたので合格!だったのですが、例えば、12%と16%を取り違えていたら不合格だったのではないか?と思います。

さあ、そして③日本酒度の順位です。

試験の要領はアルコール度数の時と同じで、合否の判定方法も一緒です。

日本酒は、ー10、ー5、±0、+5、+10の5種類が用意されていて、それを順番に並べて記入します。これは、特訓の甲斐あって全問正解でクリアできました!

試験が終わった後に、少しだけ何人かの参加者の人と話しましたが、酒蔵関係者にとっては、このアルコール度数と日本酒度数の問題は簡単だったようです。まあ酒造現場で醪の管理の時に、散々、発酵途中のお酒を飲む経験しているからなんでしょうね。

因みに、この①②③の試験、まとめて制限時間90分です。

そして、次は全員で④甘みの識別に移ります。

写真のようにテーブルの上に、3本がワンセットのお酒が12セット置かれています。そして、この各々のセットの3本のうち、2本は同じ糖度になっていますので、糖度の異なる1本を見つけて、その番号に○印をつけていくのです。

制限時間は50分あります。この、50分というのが、そこそこ長い時間なので、一通り唎酒して回答を書いた後に、もう一度確認する作業を行えるのですが、2回目の唎酒の時に、最初の時と違う回答になったりすると一気に焦ってきて、迷いが生じ始めるし、そのうちに集中力も低下してくるので、ややパニックに陥ってしまう場合もありそうです。

原則、ファースト・インプレッションを大切にする!、1回目で迷わなかったセットに関しては、もう唎酒しない!とか、自分なりのルールを決めて臨んだ方が良いかも知れません。

この課題は、12問中8問正解で合格なんですが、自分は9問正解で合格!

しかし、翌日、講師の人が言うには、この「甘みの識別」で不合格になった人が非常に多かったそうです。その原因としては、最近は世の中に甘いものが溢れ返っていて、それを口にする機会が多いので、感覚が鈍ってきているのではないか?とおっしゃっていました。

そして、初日の最後の試験は⑤香気特性の記憶と識別です。

①酢酸エチル、②吟醸香、③老香、④日光臭、⑤紙臭、⑥つわり香、⑦酸臭、⑧生老香、⑨アセトアルデヒドの9種類の香りが表示してあるボトルが一方のテーブルに並べられていて、もう一方のテーブルには、イ、ロ、ハ、ニ、ホ、ヘ、トチ、リまでのラベルだけが貼ってあるボトルが並んでいますので、それをマッチングさせる試験です。例えば、①の酢酸エチルと同じ香りが「ハ」だと思えば、そこに①の欄に「ハ」と記入するわけです。

これも制限時間は50分。何度もテーブルを行き来して確かめることができるので、特徴の強いものは集中すればわかると思います。自分の印象としては吟醸香、生老香、酸臭、老香あたりはわかりやすいのですが、紙臭と日光臭、アセトアルデヒドと酢酸エチルなどは、ちょっと微妙で、5問だけ正解と言う結果・・・。

でも、この課題の合否最低ラインは4問だったので、何とか合格!

この初日だけで、唎酒を190分、3時間超行なったわけで、香りや味わいの微妙な違いを認識するために神経を集中して行うわけですから、やはり相当疲れました・・・。

でも、苦戦しながらも、今の所、まだ「一発合格!」の可能性を残して初日を終えることが出来たので満足でした。

ー2日目ーに続きます。

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