本物であること、そして自然体であること
こんにちは。
オリンピック終わりましたね。色々と問題もあったとは思いますが、時差がないことで観戦もしやすかったですし、日本勢も様々な競技で活躍してくれて盛り上がりました。是非、パラリンピックでも頑張ってもらいたいですね!
さて、そんな中、やはり今回のオリンピックでも最初に感じたことは「採点競技って難しい!」ということです。
体操競技は、2020年に向けて自動採点システム導入に向けて動き出しているという話ですが、フィギュア・スケートに関しては、全くそうした動きはなく、それどころか、来シーズンからは、
難しいジャンプの基礎点を下げて出来栄え点(GOE)の幅を現在の7段階(−3から+3)から11段階(−5から+5)に拡大する
ことになってるそうです。
要するに「裁量の割合」が更に大幅に拡大して、難しい技を習得してトップを目指すということが難しくなるわけです。
これは一体、何の(誰の?)ための「改悪」なんでしょうね。完全に時代に逆行していますし、競技としての魅力も確実に減退し、ファンも離れていくと思います。
さて、ここで日本酒の話ですけど、以前も記事で書きましたが、日本酒にも色々と、順位を競うコンクールの場が増えてきました。
以前は、全国新酒鑑評会で金賞を取ることが酒蔵にとって最大の栄誉であり、目標でもあったのですが、最近は、
・SAKE COMPETITION
・IWC 日本酒部門(ロンドンで開催)
・KURA MASTER(フランスで開催)
といった様々な日本酒のコンクールが催されるようになり、全国新酒鑑評会の位置付けも変わってきています。
実際、現在の新酒鑑評会では出品酒の3割近くが「金賞」を受賞するようになり、しかも、似たような香りや味わいが評価される傾向は続いていることから、酒蔵の中には、新酒鑑評会への出品を取りやめる所も出てきています。
ただ、こうしたコンクールで、問題なのは、
「コンクール出品用のお酒は特別に手間暇かけて造っているものが多く、一般には流通しないケースが多い」
ということです。
本来的には、酒蔵も消費者(ファン)の方を向いて、一般に販売している商品を出品するべきだと思いますし、そうしている蔵もあるんですけどね。
確かに「勝つことは大切」ですが、それと共に、酒造り、あるいは競技への取組み姿勢、「消費者=ファン」をどう考えているのか?といったことが、それ以上にに大切だと思います。「勝てば格付けが上がる、箔がつく」ということだけを意識していても長く愛される日本酒やスケーターにはなれないでしょう。
まあ、それでも、日本酒のコンクールは全て「ブラインド・テイスティング」によって行われるので、蔵の名前で格付けが決まってしまったり、先入観が入り込んだりする余地がないので、フィギュア・スケートの競技会のように、国どうしの力関係や、所属国の選手の中での番付(推し具合)や、はたまた、ジャッジの選手個人に対する優遇・先入観が採点に影響しまくることはないのは素晴らしいですよね。
フィギュア・スケートって、ちょっと真面目にスケート自体に興味を持って観れば、誰がスケーティングが上手いか下手か?は、すぐにわかるようになるのですが、それが点数に反映されないという世にも珍しい競技(そんなの競技じゃないですけど・・・)なんですよね。
以前、スケ連のお偉いさんが、
「フィギュアスケートを観るときは細かい技術的なことに関心を持ち過ぎないで音楽や衣装などを楽しんで観て欲しい!」
といったような発言をしたことがあるのですが、これが本音なんでしょうね。
しかし、それでもマスコミを盲目的に信じる人以外には、
「心に訴えかけてくる本物の演技」
というものを感じることは出来るはずです。
そこには、マスコミが作り上げた安っぽいストーリーなどは一切必要なく、そのスケーターの人柄、競技への真摯な取組み姿勢、美しい姿勢や所作、高い技術、”本当の意味での”音楽との一体感などが大きな波のように押し寄せてくる感動があり、そうした演技こそが「記憶に残る演技」だと思います。
日本酒の場合も、「記憶に残る日本酒」というものは、「鑑評会やコンクールでの入賞酒」ということに限らないし、もちろん「無難に美味しい」というものでも、「故意に個性的な味わいにした」というようなものでもなく、
「酒蔵が酒造りへの信念を持って、ファンの事を思って拘って拘って造りあげたお酒」
であることが大前提なんだと思います。
それと、もう一つ、今回のオリンピックで、気になったのは、色々な選手のインタビューや記者会見での、各選手の発言で、そこからは、
「自然体で話せることの大切さ」
を改めて感じましたね。
結局、「重みがあって共感でき、それでいて心地良くて、感銘を受ける言葉」というのは、
「選手が普段から思ってること、心から思ってることが自然に言葉となったもの」
なんですよね。
そこには「人柄」も出るし、「競技に対する姿勢」や、「ファンやスタッフへの思い」も全部が晒け出されますから、ある意味残酷でもあります。あまりに自己アピールが強かったり、意図的な発言が多いと「食傷気味」になってしまいますからね。もちろん、色々とボロが出て辻褄が合わなかったりするのは論外ですが・・・。
実は、日本酒にも、最近、徐々にではありますが、「自然」、「オーガニック」、「無添加」といったものをキーワードにするお酒が増えてきてるんです。
その代表格が、以前も「蔵訪問」の記事で紹介させていただいた、寺田本家と仁井田本家です。
詳しくは、当ブログの訪問記を読んでいただきたいのですが、どちらの蔵も原料の米は有機農法で育てたお米を用いて、もちろん水や酵母、造りにも拘っています。
ただ寺田本家の方は、精米歩合も高いものが多くて、完全発酵に近いくらい発酵を進めたものが多いので、色も薄黄色で香りはあまりなく、甘みよりも酸味を強く感じる極めて個性的なお酒(好みは別れると思います)で、お燗にしても美味しいお酒であるのに対して、仁井田本家のお酒は、精米歩合が寺田本家に比べれば低めなので、味わいもマイルドで洗練されているし、4段仕込みをすることによって心地よい甘みもあることから、冷やでも美味しい万人に受け入れられやすいお酒だと思います。
今のところ、上の写真の寺田本家の香取がオーガニックレストランなどにおいてあるケースが多いですし、自然食品や、オーガニック食材を扱うお店にも多くおいてありますが、仁井田本家の方も、発売は先になるようですが、スパークリングと木桶仕込みの2種類のお酒について、
日本酒自体で有機JAS認証を受ける
という取り組みを始めたようですから、今後は、どんどん「その分野」での存在感も増していきそうです。
で、これらの日本酒って、何が凄いかというと、
「呑み飽きしないし、量を飲んでも体への負担が軽くて悪酔いしない」
んですよね。
寺田本家さんの方は、正に「酒は百薬の長」という言葉の実践を目指して酒造りをしていらっしゃいますしね。
混ざり物の無い自然の純粋なお酒が体に染み入ってくるのなら体にも心にも良いのですが、上辺だけ繕った造りの雑なお酒では悪酔いしてしまう・・・、これって、薄っぺらいコメントを聞くと、すぐに食傷気味になってしまうのと似てますよね。
ところで、オーガーニックというキーワードで思い出すのは、そう、真央ちゃん!
オーガニックの日本酒と聞いたら、絶対に興味持ってくれそうですよね。
それにしても、真央ちゃんは、つくづく、
「常に究極の演技を目指す本物の凄みを持ちながら、いつも純粋で自然で透明感に溢れる稀有な存在」
でしたよね。もちろん、引退した今でも、それは変わりません。
冗談抜きで、「真央の酒シリーズ」のコンセプトとは別に、
「浅田真央のような日本酒!と称されるものこそが究極の日本酒」
だと思っています!
オリンピックが終わったので、そろそろアイスショーの詳細が発表される日も近いのではないでしょうか?
本当に楽しみです!
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