秋田の夜 その③ J一行樹
実は金曜日から、また「大人の休日倶楽部パス」を使って東北を旅行しています。今回は酒造りの季節ではないので、酒蔵訪問はなしです。
まずは、平泉を訪れて、中尊寺にお参りをして、宿泊は花巻温泉へ。お湯が、とろっとろで気持ちの良い温泉でした。
そして、翌日は角館を散策した後に秋田へ移動し、夕食は、今回の旅行の大きな楽しみの一つである
「J一行樹」
さんへ。この店名、「ジェイ・カズユキ」と読むそうです。
実は、こちらのお店、角館にあった名店「じん市」さんが今年の春に秋田市内に移転した際に店名を変えたもので、「J」は「じん市」の「J」、ご主人の料理人、高橋一行さんと、奥様の由樹さんのお二人の名前から「一行樹」を取って、合わせて「J一行樹」ということになったそうです。
我々は、角館時代の「じん市」に行ったことはないのですが、たまたま隣のテーブルに、その時代からの常連さんのご夫婦がいらっしゃって、あまりのお店の内装のPOPさに驚いていらっしゃいました。確かに、渋い和食店だと思って行くと、かなりGAPがあって面白いと思います。今は、1日3組限定で、お一人様は受けないそうで、料理人である高橋一行さんが、じっくりと出汁をとるなど手間をかけた料理の仕込みが出来るように、同じ建物に住み込みできる物件であることが、駅からちょっと遠いこの場所を選んだ一つの決め手であったとのことでした。
さて、では、お料理とお酒の紹介です。
まずは、揚物。ガザエビの湯葉包み揚げ。エビの風味が口一杯に広がる一品。これにはビール。
そして、キジハタのサラダ、バルサミコソース。葉っぱの下にお魚がたくさん隠れています。
そして、本日の日本酒、一杯目、「秀よし 雫 大吟醸嚢吊」
赤イカのしんじょと小松菜。ふわふわな食感がたまりません。
そして、個人的に、この日、一番衝撃を受けた料理。短角牛のイチボでつくったコンソメのジュレをカブのムースにかけたもの。見てください!この美しく黄金色に輝くコンソメ・ジュレ。見た目の美しさのみならず、一点の雑味もなく、肉の旨味を上品に引き出したコンソメが、香り高い大吟醸にマッチして、まさに「至福」でした!このコンソメをつくるのに、一体、どれだけの時間を費やしたのか?などと考えてしまいます。あ〜、また食べたい!
そして2杯目のお酒、「刈穂 大吟醸耕雲」。こちらも香りが華やかなお酒でした。
次の料理がズワイガニの茶碗蒸し。こちらのお出汁も秀逸。卵は卵白だけを使っています。秋田産のミツバと柚子胡椒を少々加えてあります。
続いては、高級魚のメヌケのサフランソース。
ここで、3杯目は「天の戸 純米吟醸 亀の尾」。今日、初めての純米は、香りは控えめながら、しっかりとした味わいで料理にぴったり。やっぱり天の戸は美味いなあ。
そしてメイン料理。秋田錦牛の赤ワイン煮込み。爽やかな酸味が効いていて、見た目ほどは重くなく、肉はとろける柔らかさ・・・。ソース残したくないから、思わず「パンください!」と言ってしまいそうでした(笑)
そして4杯目は「飛良泉 純米大吟醸 限定品 山田錦」。香りも華やかですが、しっかりとした旨味もあり、牛煮込みに合う、合う!
締めは、比内地鶏だしの白湯を炊きたての秋田こまちにかけたもの。この透き通ったスープの美味しさといったら、本当に最高でした!
最後はデザート。ミルクのブラマンジュに、ほうじ茶のシャーベットをかけたもの。
いやあ、本当に最高でした。どの料理も手間がかかっており、しかも、地元の食材を中心に使っているので、地酒との相性もバッチリ。
特に今回、驚いたのは、
「様々な出汁と日本酒のマッチング」
です。出汁を口に含んで飲み込んだ後、その味わいが残っているところに、日本酒を注ぎ込んだ時のハーモニーの素晴らしさ、これは勉強になりました。
まだ、秋田市内に移転したことが認知されていないので予約が取れましたが、いずれ予約が取れない店になることは間違いないでしょう。これ、東京にあったら値段1.5倍取っても大人気店でしょうね。
ご馳走様でした!
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