日本酒の都市伝説 その③ ー日本酒はダイエットの大敵?ー

さて、都市伝説シリーズ第三弾です。前回も書きました通り、日本酒は、飲む際に、どうしても甘みを強く感じてしまう部分がありますし、メディアなどでも、

「日本酒はカロリーが高く、糖質が多く含まれているので太りやすい」

という記事もよく目にすることがありますので、ダイエット中の人にはもちろん、健康に気を使っている人にも敬遠されるケースが多くあると思います。そこで今回は、実際のところ、どうなのか?対処法はあるのか?といった辺りを検証してみたいと思います。

そこで、まずは実際にデータを見てみますと、各お酒の100gあたりに含まれるカロリーと糖質の量は以下の表の通りになります。

日本食品標準成分表2015年版(七訂)

確かに、カロリーも、そこそこ高めですし、糖質も多めですが、この数値だけでは日本酒をダイエットの大敵と判断できない部分がありますので、まずは、反論を挙げてみます。

①実際に飲む量で考える必要

上記表は、あくまでも100g当たりの各々のお酒に含まれるカロリーと糖質の量です。例えば、ビールで考えた場合、100g分しか飲まないなんてことは有り得ないですよね。通常は?中ジョッキ(400ml程度の量)を、冷えているうちに速いスピードで飲みます。そして、ついつい、2杯、3杯と飲んでしまうことも多く、そうなると、特に”糖質”で考えた場合、あっという間に日本酒を超えてしまいます。

②お酒のカロリーは、通常の食品のカロリーとは異なる

カロリーの数値を見ると、ウィスキーや焼酎など蒸留酒が高くなっています。これは、お酒のカロリーは、エキス(主に糖分)とアルコールとの二つに由来するのですが、圧倒的に後者のアルコールに由来する分が多いので、アルコール度数が断トツ高い蒸留酒のカロリーが必然的に高くなるわけです。しかし、このアルコール由来のカロリーには、通常の食品に含まれるタンパク質、炭水化物などの栄養素が殆ど含まれていない(エンプティー・カロリー)ので、消化・吸収されてエネルギーになるのではなく、肝臓で分解されて体には蓄えられないものです。(肝臓に中性脂肪が蓄積されることにより間接的に肥満につながるという説もあります)

③そもそも、お酒に含まれる糖質の量ってどんなものなのか?

糖質制限ダイエットに取り組まれている方はご存知かと思いますが、同じ、100gあたりの食品に含まれている糖質の量を挙げてみますと以下の通りです。

白米:38.2g  食パン:44.4g さつまいも:29.2g  玉ねぎ:7.2g バナナ:21.4g  牛乳:4.8g

お米や小麦、芋といった炭水化物を多く含む食品が数値が高いのは予想できましたが、野菜や果物なども含めて、非常に多くの食べ物が多量の糖質を含んでいます。お酒に含まれている糖質を気にするんだったら、余程、食べ物の方に気を使わないと全く意味がないことがわかりますよね。

さて、そこで、最後に、お酒を楽しみながら健康にも気配りするための対処法を、当たり前のことを含めてご紹介します。

・お酒は適量を少しづつ、ゆっくりと飲むようにする!(自戒を込めて!)

・ビールを飲み過ぎない

・アルコールの分解を助けるためお酒と一緒に水をしっかり飲む

・アルコールは食欲を刺激する作用があるので、それを踏まえて食べる量を調整する

・お酒を飲む時にはカロリーの高い食べ物、炭水化物を多く含む食べ物を控えるようにする

・空腹時は代謝が下がってしまうので、空腹時の飲酒を避ける

・冷たい飲み物も代謝を下げる作用があるので、お燗のお酒を飲むことも考える

・休肝日を設けて肝臓を休ませる(こちらも自戒を込めて!)

・締めのラーメンを我慢する!

お酒にはストレスを減らす効果もありますし、これは別途特集しますが、日本酒には、他のお酒にはない、アンチエイジング、美肌・美白効果、体を温めるなど、様々な効能があるんです。適量のお酒を飲んで健康的に人生を楽しもうではありませんか!

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