ソチ・オリンピックの想い出 ーその5ー 2・20 奇跡のFP
こんばんは。
いよいよ、今日はソチのフリーから4周年の日ですね。
さて、今回はSPの翌日から帰国までの記憶を辿ってみたいと思います。
前回書きましたように、SPの後は、あまりのショックで、なかなか寝つけませんでしたが、疲れが溜まっていたわりには、翌朝は普通の時間に目が覚めた記憶があります。
日本で応援していた方々に話を聞くと、皆さん、SPの後は、もう絶対にワイドショーやらスポーツニュースを見たくないので、TV断ちしてたとおっしゃるのですが、現地に居た私は、幸いそんな心配はありませんでした。要は、ネット断ちしとけば良かっただけなのですが、真央ちゃんが公式練習に出たのか?どうかだけは、どうしても気になって、時々ニュースはチェックしてました。
そして、公式練習には顔を見せたというニュースを発見して、ひとまず安心したので、気分転換のためにソチの街の観光に出かけたのでした。
自分は、海外に行くと必ずマーケットを訪ねるようにしているので、ソチのマーケットにも行ってみました。
すると、そこには寝不足の目がチカチカするような鮮やかなものが沢山並んでいました。
これ、チュルチヘラという地元名産の甘いお菓子らしいんですけど、本当に色がカラフルなんですよね。これを売っているお店が本当にたくさんあったのですが、どうも買う勇気はありませんでした。まあ、そんな気分じゃなかったのと、確かに綺麗なんですけど、着色料すごいのかな?なんて思ってしまいまして・・・。
このお店が売っているのも、同じ種類のお菓子だったのかな?
そして香辛料のお店!これは興味ありました。
あと、当然、野菜も売ってましたよ。ロシア料理のボルシチに使われるビーツも、もちろんありました。
黒海に面していますので、お魚もたくさん売ってました。でも、小魚中心という感じでしたね。
そして、食べ物ばかり見ていると、さすがにお腹がすくのでランチ!
これはルッコラ?のサラダでしょうかね。
これは、何だか忘れましたが、確かパンみたいなもの?
夜は、まともな食事は望めないし、演技に集中したいので、しっかり食べておこうと思い肉もオーダー。
ロシア料理って、日本人の口にも合うと思うんですよね。この日食べた料理も全部美味しかったのを覚えています。
その後、郵便局に行ってオリンピック記念切手を買ったり、お土産物屋さんをチェックしたりして、街を散策して時間を潰して、この日はバスで会場へと向かいました。
そうなんです。もう2日目以降は、会場への移動は各自勝手に行うということになってまして添乗員さんとは会場でおちあうだけで全くの自由行動でした。まあ、これも交通手段が充実していたから可能だったんでしょうね。今回の平昌では考えられないことだと思います。
さて、バスに乗るときも、もちろんパスは見せるのですが、荷物検査は一切なし。電車では、あれだけ厳重な荷物チェックしてるのに、バスは、こんなに緩くて大丈夫かな?と少し不安になりましたね。しかも、バスが会場に到着する場所は電車で行った時と違って、いきなり随分敷地の内部に入ったところなので、歩く距離も少なくて済んで便利でした。
初日は時間に余裕がなかったので、ゆっくり見れませんでしたが、競技場に行く途中には、色々なスポンサー企業のブースやアトラクションもありました。下の不気味な写真は、カメラの前の人の顔を巨大なビジョンに立体的に再現するというアトラクションです。
そして、フリーの日の座席は、SPの時と同じショートサイドだったのですが、何故か、我々のツアー参加者の中でも、二箇所に席が別れて、自分は「D3」で、昨日とは逆側のロングサイドに近い方でしたが、もう一方の人達は、昨日と同じ「D2」のエリアで、こちらに座った人達は、真央ちゃんの演技後にTVに映りまくってまして、帰国した後で放送を見た時は、少し羨ましかったです(笑)。
まあ、でも、もはや席なんてどうでも良い状態でした・・・。因みに、この日も添乗員さんが一番良い席でしたが、もう誰も文句なんて言いません。(後からのアンケートでは、皆んな激怒して指摘していたようですが・・・)
そんな事より、今日の真央ちゃんが、どんな演技をしてくれるのか?いや、そもそも、演技が出来る状態なのか?で頭が一杯でした。
そして、どんどん演技は進んで、いよいよ真央ちゃんのいるグループに。
もう、リンクに現れた、その姿を見ただけで涙が出てきそうでしたが、頑張って6分間練習だけは動画を撮影しました。
この日の6分間練習でも3Aは見事に成し、観客から大きな歓声があがりました。
3−3は3−2になってしまいましたが、体のキレは良さそうでしたし、リンクから出て退場していく際も、じっと前を見つめて表情にも凛々しさが戻っているように感じました。
そして、いよいよ、真央ちゃんの演技が始まりました。
もう、この演技に関しては、もう多くは書く必要はないでしょう。
とにかく、最初の3Aを成功したところで、大歓声があがり、その後のジャンプが決まるたびに、会場全体のボルテージがあがっていき、失敗することが多かった3回転サルコウを跳んだ位置は自分の席からは遠かったのですが、これを成功したところから、自分も涙が溢れてきて、3連続ジャンプ、最後のジャンプ、トリプルループも成功し、そこからの怒涛のステップに対しては観客から自然に大きな手拍子が起こり、感動のフィニッシュへ・・・。
もう周り中、皆んな泣いていて、会場のあちこちから嗚咽が聞こえてきました。
そして、演技を終えて観客に挨拶をする真央ちゃん。
自分も、その演技の余韻に、どっぷり浸りたかったのですが、残念ながらそれはできませんでした。
実は、真央ちゃんの演技直前に、後ろの方の席に座っていた、ツアーでも一緒でもない見知らぬ日本人の女性から、真央ちゃんの演技が終わったらリンクに投げ込んで欲しいと頼まれて、花束を預かっていたんです・・・。
ですので、演技終了後は拍手をしながら、リンクサイドへと階段を降りていって、花束を投げ込むという作業がありまして、周囲の人と喜びを分かち合うタイミングも失い、今、思い出してもちょっと残念です。私に、それを頼んだ人、もし、これを読んでたら感謝してください!(笑)
真央ちゃんは第2グループの最終滑走でしたので、演技が終わり、得点が出てからは、会場は、席を離れて、歓喜の涙にくれながら抱き合って喜びに浸る人たちで溢れかえっていましたね。
昨日、疲労困憊の中で、どん底まで落ちていった精神状態から、この日は、奇跡の演技を観ての究極の感動と高揚。
僅か1日の間で、これだけ振れ幅大きく精神が揺さぶられることって、もう二度と経験することはない!
と思います。
それは日本で夜中にテレビを観ていたファンの方々も同様でしょう。
その証拠に、このフリーの演技が終わった後は、どんどん 私のfacebookにも「感動した!」とか「涙が止まらなかった!」といったコメントが書き込まれ、「最高の演技を現地で観れて良かったね!」といったメールも沢山届きました。
後から、職場で聞いたんですが、SPが終わった翌日は、会社の同僚や部下たちが、
「あいつは、もうショックから立ち直れなくて会社に来れないんじゃないか?」
と真顔で話していたらしいですが、フリーの演技を観て安堵したとか・・・(笑)。
話を戻しますと、演技後は、それだけ皆んな興奮してたので、一旦は得点に関しての関心が吹き飛んでいたのですが、落ち着いて点数を考えてみると、
「有り得ないくらい低い!」
と怒りが込み上げてきたのでした。
でも、それでもトータルで200点に迫る点数でしたので、一縷の望みを持って第3グループ以降の演技を観戦しようと席に着いた時、同じツアーに参加していた男性が、何と、
「じゃあ、私、ホテルに帰ります」
と言い残して、席を立ったのです。
後からお話しして聞いたのですが、その方は名古屋からツアーに参加していた方で、
「日常生活の中で、名古屋で暮らしていた当時の真央ちゃんを知っている人」
で、あくまでも「真央ちゃん」のファンであり、
「自分は真央ちゃんの素晴らしい演技が観れればそれで良い!」
という気持ちで席を立ったのだということでした。
何と言っていいか、この出来事も自分にとっては新鮮な衝撃でしたね。
自分は、まだ、もしかしたらメダルの可能性だってあるのでは?なんて思ってましたからね・・・。
そして、最終結果は、皆様ご承知の通り。
でも、この日は、本当に幸せな気分に溢れていて、夜のアイスバーグの写真を撮る余裕もありましたし、駅までの道のりも、昨日と同じとは思えないくらい短く感じました。
そして、その夜は仲良くなった人達と買い込んでいたビールで祝杯をあげ翌日は晴れ晴れとした気持ちでランチへ。
本場で食べたかったボルシチも食べれて大満足。
天気が良いと、本当に暖かくて、黒海の海沿いには、こんなお洒落なカフェやレストランが沢山ありましたので、昼間から、気持ち良くお酒を飲めました。
そしてオリンピックパーク内のショップに1時間並んで色々なお土産もGET!
このパーカーの他にも、Tシャツ、マグカップ、カッティングボードなどなど大量に買い込んで、今でもその殆どのものを使っています。
もちろん、エキシビジョンもリラックスして楽しめましたが、やはり閉会式が素晴らしかったですね。
屋内の巨大な会場で繰り広げられるショーは本当に圧巻でした。
そして、タラソワさんが、金メダルを取った真央ちゃんのために用意していたんじゃないか?と思えるような真央ちゃん使用曲のオンパレード・・・。
極め付けは、やはり「ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番」です!
この時は、また真央ファンの涙腺崩壊!
そして、最終日、いよいよ帰国のために空港に向かうという時の、夕暮れの黒海の美しい景色も忘れられません。
本当に行って良かった!
一生忘れられない素晴らしい思い出になりました!
そうそう、帰りの飛行機はJALの直行便だったのですが、離陸が結構遅れて、空港で待たされたんですけど、そこにはオリンピックの現地レポーターとしてきている人や各TV局のアナウンサーなどが沢山いまして、自分達が時間を潰していたイタリアンレストランには、松岡修造さんがいたんですよね。
彼は、当時、いつも、TVで真央ちゃんを応援してくれるコメントをしてくれてましたので、何人かの真央ちゃんファンと一緒に、彼の座っていたテーブルにいって、
「いつも、真央ちゃんのこと応援してくださって有難うございます!」
と言ったら、直ぐにスッと椅子から立ち上がって、
「こちらこそ、浅田選手には、いつも勇気もらってます!」
と言ってくれたんですよね。
その時は、
「ああ、この人は本当に真っ直ぐで表裏のない人なんだな」
と感心しましたね。最後に余談でした。。。
さて、今晩は何飲もうかな?
特別な日なので、この2本のうちのどっちかにしよう。
テタンジェの「ノクターン」というシャンパンか、日本酒のトリプルアクセル!
まあ、両方でもいいか(笑)!
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